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【2024/05/15 13:13 】 |
顧問弁護士(法律顧問)が日々接するテーマ:支払督促

顧問弁護士(法律顧問)が法律知識をまとめており、今回は、支払督促についてです。なお、当ブログにおいて公開する情報は、対価を得ることなくメモ的な走り書きによるため、(ある程度気をつけるようにしていますが)不完全な記述や誤植が含まれている可能性があり、また、書いた当時は最新の情報であっても現在では情報として古くなっている可能性もあります。実際に難しい法律問題に直面した場合には、ご自身で判断してしまうのではなく、必ず専門家である顧問弁護士などに個別にご相談いただくことを強くお勧めします。

貸金や売買代金などを支払わない相手について、裁判所を利用する方法としては、訴訟の他に「支払督促」という方法があります。ここに、支払督促とは、相手方の居住地を管轄する簡易裁判所に、一定の金額を支払えという裁判所からの督促を申立てるものです。印紙は訴訟の半額、訴訟になれば残りの半額を追徴します。少額訴訟のような請求金額の制限はありません。裁判所書記官から支払督促状が送られてくれば、通常、債務者は動揺するものです。内容証明郵便を送っても動じなかった債務者に対して多大な心理的プレッシャーを与えることができ、支払いに応じさせる可能性を高めることができます。支払督促の手続が始まると、裁判所は、請求に理由があるかどうかについては判断しないまま支払督促を発します。そして、送達があってから2週間以内に債務者が異議を申立てなければ、仮執行の宣言が付されて強制執行することができますし、仮執行宣言付の支払督促の送達があってから2週間以内に異議を申立てなければ確定します。つまり、申立人は強制執行(差押え等)の手続に入ることができるのです。債務者が強制執行を止めさせるためには、裁判所に執行停止の申立てをして、保証金を供託した上で、執行停止の決定を得る必要があります。なお、理由について判断をしていないので、仮執行宣言がない支払督促は無条件に失効して通常の訴訟に移行し、仮執行宣言が付された支払督促は仮執行の宣言ができますが、理由のあるなしは訴訟の手続において判断されます。通常の訴訟(裁判)とは異なり、申立人(債権者)の申立書を受理した裁判所は、書面審査のみを行い、申立書に問題がなければ債務者(相手方)に支払督促を送ってくれますので、申立人が裁判所に出頭しなくて済みます。理由のない支払督促がきたら、すぐに異議を述べなければなりません。なお、訴訟に移行すれば、140万円を超える場合なら当該簡易裁判所を管轄する地方裁判所、140万円以下なら当該簡易裁判所での訴訟となります。支払督促のデメリットは、金銭の支払請求などにしか利用できませんことです。また、債務者(相手方)の住所を管轄する簡易裁判所に申立てする必要があります(ただし、申立ては郵送でも可能)。債務者が異議を申立てた場合には通常訴訟(裁判)へ移行しますので、債務者の住所地で裁判が行われることになり、そこまで行く必要があります。さらに、公示送達ができないので、債務者の住所が不明の場合にはこの制度は使えません。支払督促に向くケースとしては、①債務者との間で債務の存在や金額に争いはないが、なかなか支払ってくれない場合、②債務者が裁判までする覚悟はなさそうな場合、③申立人に契約書などの明確な証拠があるなど、勝算が高い場合が考えられます。逆に支払督促に向かないケースとしては、①債務者(相手方)がお金を借りた覚えはないとか、金額が違うとか言っているような場合は、債務者が異議申立を行う可能性が高いため、支払督促手続よりも直接訴訟をした方がよい場合もあります。また、②60万円以下の金銭の支払を求める場合は、1回の期日で審理を終え判決が言い渡される少額訴訟も検討するとよいです。


ご不明な点は、顧問弁護士(法律顧問)にご相談ください。また、法律問題でお悩みがある方も、気軽に弁護士にご相談ください。なお、法律というのは絶えず改正が繰り返され、日々新たな裁判例・先例が積み重なっていきます。法の適用・運用のトレンドもその時々によって変わることがあります。そして、事例ごとに考慮しなければならないことが異なるため、一般論だけを押さえても、最善の問題解決に結びつかないことが多々あります(特にこのブログで紹介することの多い労務問題(残業代請求不当な解雇など)は、これらの傾向が顕著です)。 ブログ
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【2010/06/21 01:30 】 | 残業代請求
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